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物語 その4 「続々開店 ビストロブーム」

シェシノワが開店してから3年ぐらいの間に、続々とレストランが開店しました。
ビストロブームの風に乗りみんな会うたびに笑顔です。
人宿町のシェオクス、ビストロプロバンス(当時は伊勢丹裏 ) レストランミタなど等 続々開店です。
そのうちの一軒ビストロ・プロバンス(以下プロバンス)。開店も近づいたある日の午後九時過ぎの事。儀一君(プロバンスの見習い)が飛び込んできました。青い顔しています。
 「どうした?まだ開店してないんだよね。」
心配して聞きました。
 「小麦粉貸してくれませんか?1キロ取ってあったんですけど、ジェノア(スポンジ)3回失敗してもうないんです。今日中に焼かないとまずいんで・・・才能ないのかなあ」
と全く元気なし。なーんだ
 「俺の最高記録教えてあげるよ。一日七回ジェノア焼いたよ!そのうち使えたのは一個、シェフの子供さんのおやつになったのが一個残りはゴミ箱!」
儀一君の顔に少し笑顔が戻りました。こんな苦労当たり前、練習させてくれてると思えば?小麦粉を渡しそんな事を言いながら、明日を夢見る見習い二人。
そして、シノアの休日、薩川シェフから「(プロバンスが)大変だから手伝いに行け」、という事でプロバンスのお手伝いに・・・予約で半分埋まっています。いや大変、オープン直後の先輩の店。それもビストロ、予約あり・・。また舞い上がってしまいそうです。一人目がドアに手をかけました。声を出さなきゃ
 「いらっしゃいましす!」
 またやっちゃいました(苦笑)。それも大声で・・(いらっしゃいませ) と (ありがとうございました) (・・ます) と頭の中で見事にシェイク。ちょっと引いたお客さんの顔が、忘れられない一日でした。

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