大きな組織に興味がなかった私が、荒久路〔廃業〕に入社した目的は、未知なる活きている魚介類にさわれる事と、もう一つ、私自身の結婚がありました。 開店から半年が過ぎベルジュ35も客足が落ち着いてきた頃、応援で来ていた要員も本店に戻り、少し人員的には大変かもとは思いつつも、(お金も暇も見てくれもない)私と、あろう事か(?)結婚までする娘が現れたチャンスを逃すわけには行きません。 結婚するなら今しかない。周囲には一ヶ月程かけ根回しをし、休暇をとり易い様に足場を固め、結婚休暇が実現したのです。
新婚旅行はフランスにしました。自分が携わっている料理のごく自然な姿が見たい。普通の人がどんな物を食べているのか、野菜はどんなか、水の味は? 空気は?そんな単純な事が確かめたくてしょうがなかったのです。
出発は名古屋空港、韓国経由、フランス、ドゴ−ル空港行き。某有名ツ−リストのパリ四日間フリ−、定員になり次第締め切り出発という旅行。予定通り名古屋を無事テイクオフし経由地韓国へ。機中ふと気になることがあった。このツア−は何人ぐらいになるのだうか。名古屋空港で何組かの人と挨拶しなければ・・と思っていたのに、ソレらしい人はおらず拍子抜け。
妻に話したら・・「きっと韓国で合流するのでは」・・とのこと。海外旅行の経験のない私は、そうなんだぁ。・・と感心。 でも韓国を出発するときも空席がなくなっただけでテイクオフ。
どうなの?と、また妻に聞くと・・「きっとフランスの現地集合よ。旅行代理店の人が、現地でプラカ−ドをもって待ってると言ってたから」・・納得、そうかもね。このツア−二人だけってありえないよね。・・・
しばし眠りに落ち肩を突付かれ起こされたときは、遠くにドゴ−ル空港らしき明かりが見えた時だった。いよいよフランスという興奮と着陸する興奮。航空自衛隊時代、演習に自分の整備機と派遣する機会があり、その離着陸の地上では味わえない感覚がたまらなく好きだった。その時は二人乗りのプロペラ機だが、今回はジャンボ機でしかもフランス。旅客機用空港なので滑走路とその前の誘導燈の明かりが、すばらしく綺麗!。そして旋回して高度を下げて正面に正対すると高度と共に誘導燈の明かりの色が変わってくる。綺麗だよ。感動、感無量・・
長〜いドゴ−ル空港の動く歩道を抜けたとき、カウンタ−の向こうにプラカ−ドが見えた。○○ツア−様御一行とある。やっぱり現地集合なんだ。・・ガイドらしき人と合流。旅行会社から、ガイドさんへ渡すように言われた茶封筒を渡す。「この飛行機ではあなたがた二人だけですか?。」「はい。」「もう少し待ってて下さいね。」
二十分経って、カウンタ−を超えて来る人も無くなっとき、彼は怪訝な顔をして茶封筒を開けた。「エ−! チヨット! ありえナ−い! 二人だけかぁ!!」
冗談でしょ。ツア−二人だけって。ここフランスだよ。
そういえば、チケットを受け取るとき 「このツア−の参加人員はどのくらいですか?」と聞いたとき「把握できていません。」と言いながら、妙な笑顔をしてたのはコレだったのか。俺たち田舎もんなんだから、親切に教えといて下さいよ。前途多難の新婚旅行の始まり始まり−!!
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