メガピクス

静岡レストラン物語History

その11 ありがとうございます。スーさん!

食事会、宴会などが終わり通常の営業に戻ったシノア。相変わらずポアソニエ(魚の処理係り)に控えるスーさん。平目をおろしております。

おろし方を勉強するため、作業をしながら横目でチラチラと見るんです。見習いは仕事を盗めと言われます。その通りです。雑用と自分のポジションの仕込み、それを全部こなさないと新しい作業ができませんから。

 スーさんは、仕事を見られてるのに気がついて、彼もやり難そうです。

「いてぅっ。」 「うっ。」

ガタン・・バタバタ・・ 平目の暴れる音

手を切った ?  魚を〆るときは、急所を一気に突くので力がいるのです。この時、手を滑らすと大怪我になる事が多いのです。慌てて救急箱をとりだしてスーさんのもとへ

 「スーさん!大丈夫?」「やっちゃった?。」

まな板の上には赤い鮮血・・うわー・・私も動揺!

 「何やってんの!ハナ!早く処理しろよ。」「はい。」

絆創膏を貼れる状態にしてあげて

 「この大きさでいいですか?指だしてください。」

 「馬鹿!平目だよ!暴れて痛んじゃうだろ。」

「スーさん指切ったんじゃないの ? 」

「バカ、かじられただけ・・急所はずしちゃったの!それは平目の血!」

なるほど指はくっついているし、出血も多くない。だけど親指にしっかりと平目の歯が刺さったまんま・・おかげで、スーさんの代わりに魚の処理をする事になり、魚の〆方覚えました。ありがとうございました。スーさんにお礼を言いながら、平目にもお礼を言いたい気分。隅っこで「いてー」と言いながら歯を抜いているスーさん。

 その日の帰り、掃除も終わり閉店を待つひと時。スーさんは、オマールの水槽の前にいました。手に持っているのは、昼の平目の端っこ。平目にリベンジ ?

 「おーい、ほら・食えっ食っちゃえ・ハナ」

いいですけど、オマールに俺のあだ名つけるのやめてー。

だって毎回いくら名前付けても、次の日くらいにお客さんのテーブルに乗りますから~

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