メガピクス

静岡レストラン物語History

その15 移籍直後のできごと

新しく勤める事になったJは、ハンバーグで有名なお店でした。特に煮込みハンバーグが人気で来店する七割の人がオーダー戴きました。環境と仕事になれるのは、すぐに適応できたのですが、オープンキッチンで圧倒されるほどのお客さんの数をこなすのはなかなか大変でした。
何しろこの頃はバブルの時代です。サイドメニューもドリンクも当たり前のように注文が入り、仕込みをしながらオーダーをこなすという状態でしたから

我々従業員は平日午後3時くらいに昼ごはん、夜かたづけが終わって夕食を取っていたのですが、土曜、日曜はどうしてもお客さんの数が多く、昼、夜のクローズタイムが遅くなり食事が取れなくなるので、少し早く出勤して昼、夜のオープン前にごはんを食べようという事になりました。

ところが食事は取れるようになったのですが、カウンターで並んで食事をしていても、開店前にドアをドンドンたたかれるし、何時からですか?とか声が聞こえるし、道路に面した客席の窓からお客さんの並んでいるのが見えるし、精神的に食事をしてるというのがすこし苦痛でありました。でも開店前にお客さんが十人ぐらい並んで待っているという事実。暑い夏でも真冬でも・・これにはびっくりです。

いかにバブルの頃とはいえ凄い事です。街中では談グループ、ちきん亭グループが活躍真っ只中。
「ハナちゃん、今度メニュー変えるんだけどね。アイディアかしてくれる?」 オーナーシェフのN氏。
「はい、わかりました。メモしておきますので」
平静を装い答えましたが、うれしすぎて動揺していました。いままで、この仕事で当てにされるのは初めてですから・・・
「ハナさんどうしても途中でオーダーに追いつかなくなるんだけど・・」まだストーブ前で経験が浅いトシ君「10分で満席になって確実に半分以上が煮込みなんだから、最初のオーダーで入るだけ焼いちゃえばいいんだよ。作り置きにならないように最初だけスタンバイだよ。俺がお客さんの人数を勘定しておくから」
後輩に頼りにされた?みたい。シノアでは経験のない満足感!大体後輩がいること自体初体験ですから・・・
「ハナちゃん、コレ使って。なくなる前に言ってね。」
営業終了後に手渡されたのは、なんと名刺でした。
この世界に入って初めて認知されたと思いました。そのプラスチックの小箱を手にとったまましばらく動く事が出来ませんでした。

よかったこの店で受け入れてもらえそうです。
がんばるぞ~!移籍直後の私でした。

ページトップへ戻る